高濃度ビタミンC点滴療法/代表的な基礎研究

点滴療法研究会では、高濃度ビタミンC点滴療法に関する国内外の臨床試験と医学文献をご紹介。
ご入会いただくことで全ての論文情報を開示しております。

医学論文情報:2015年~


【2017年】
アスコルビン酸による造血幹細胞機能および白血病発生の制御

Ascorbate regulates haematopoietic stem cell function and leukaemogenesis
Nature (2017) doi:10.1038/nature23876

【論文】 http://www.nature.com/nature/journal/vaap/ncurrent/full/nature23876.html

白血病では造血幹細胞の異常な増殖があり、そこにTET2遺伝子の機能喪失が深く関与している。本研究ではビタミンCは造血幹細胞内に蓄積し、TET機能を促進し、造血幹細胞としての機能を制限し、白血病発生を抑制することがわかりました。研究結果はネイチャー誌に掲載されました。


【2017年】
TET2の機能回復により、自己再生の異常と白血病の進行が抑制されること

Restoration of TET2 Function Blocks Aberrant Self-Renewal and Leukemia Progression
doi:10.1016/j.cell.2017.07.032

【論文】 http://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(17)30868-1

ニューヨーク大学医学部 パールミュッターがんセンターからビタミンCと他の治療法の組み合わせが、白血病などのTET欠損型の癌患者に安全かつ有効な治療法となりえることをCell誌に発表しました。
白血病ではTET2の機能喪失がしばしば観察され、マウスの実験では大量のビタミンC投与で遺伝子操作でOFFにしたTET2機能が回復、また白血病の進行を抑制しました。また、ヒト白血病細胞株への高用量ビタミンC投与したところ、DNAの脱メチル化とTET2遺伝子の正常化が観察されました。さらに白血病細胞へPARP阻害剤と高用量ビタミンCの併用投与したところ白血病細胞のアポトーシスを促進しました。


【2017年】
O2⋅− and H2O2による鉄代謝の破壊は、NSCLCおよびGBMがん細胞の薬理学的アスコルビン酸に対する感受性に差異をもたらす

O2⋅− and H2O2-Mediated Disruption of Fe Metabolism Causes the Differential Susceptibility of NSCLC and GBM Cancer Cells to Pharmacological Ascorbate
Cancer Cell.2017;31:487–500

【論文】http://www.cell.com/cancer-cell/pdf/S1535-6108(17)30062-4.pdf

アイオワ大学がんセンターが発表した、高濃度ビタミンC点滴の重要な論文です。非小細胞肺がん・脳腫瘍(グリオブラストーマ)の化学療法や放射線治療に高濃度ビタミンCと併用することで生存曲線が有意に改善されたことや、高濃度ビタミンC点滴ががん細胞だけに毒性を持つメカニズムを鉄代謝・活性酸素の面から解明したことを報告しています。


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