
秋風が心地よく感じられる季節になると、同時に気になるのがインフルエンザの流行です。毎年、多くの人が感染し、つらい症状に悩まされています。
「今年もまたインフルエンザにかかるのでは…」
そんな不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
もちろん、手洗いやうがいなどの基本的な予防は欠かせません。しかし、それだけで完全に防ぐことは難しいのも事実です。
私たちはコロナ禍を経て、健康に対する意識が大きく変わりました。もはや重要なのは「病気にならないこと」だけではありません。
「病原体に負けない強いカラダをつくること」が、新しい時代の健康のキーワードです。
そこで注目したいのが、新しい予防習慣としての「高濃度ビタミンC点滴」です。体の内側から免疫力を高め、インフルエンザなどの感染症を寄せ付けない「強いカラダ」づくりに役立つ方法として、いま医療の現場でも注目されています。
今回は、高濃度ビタミンC点滴での感染症の予防戦略について詳しくご紹介します。
Contents
なぜインフルエンザにかかるのか? そのメカニズムを知る

インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみによって飛び散る飛沫を介して体内に侵入します。鼻や口から入ったウイルスは、喉や気管支の細胞に付着し、そこで増殖を始めます。
私たちの体には、もともとウイルスに対抗する免疫機能が備わっています。しかし、免疫力が低下していると、ウイルスの増殖を抑えきれず、炎症を引き起こし、発熱や咳、倦怠感といったインフルエンザの症状が現れるのです。
つまり、インフルエンザ予防の鍵は ウイルスの侵入を防ぐこと と 免疫力を高めること の2つにあると言えるでしょう。
ウイルスの侵入を防ぐ工夫

感染を防ぐためには、ウイルスが体内に入る前にブロックすることが重要です。日常生活でできる具体的な対策は次の通りです。
・人込みでのマスクの着用、飛沫感染を防ぐ
・帰宅時などは手洗いを行い、手指に付着したウイルスからの感染を防ぐ
・人混みや換気の悪い場所を避け、部屋の換気をこまめに行う
これらはどれも小さな工夫ですが、感染リスクを大きく減らすことができます。また、咳やくしゃみをするときは、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆うことで、自分から他人への感染を防ぐことも大切です。
インフルエンザ予防に必要なのは「免疫機能」

マスクや手洗いは感染リスクを下げる手段になりますが、いくら徹底していても、ウイルスの侵入を完全に防ぐことは難しいのが現実です。そこで、体内に入ったウイルスと戦うのが免疫システムです。免疫力が十分に整っていれば、感染しても症状は軽く済むことが多いのです。しかし、睡眠不足やストレス、栄養不足が続くと、免疫力は低下してしまいます。
免疫機能を維持するためには、ビタミンやミネラル、良質なタンパク質などの栄養素が欠かせません。特にビタミンCは、免疫細胞の働きをサポートし、ウイルス感染から体を守る力を強化する重要な栄養素です。
日常生活でウイルスの侵入を防ぐ習慣と免疫力を支える生活習慣を両立させることで、インフルエンザに負けない体をつくることができます。小さな工夫の積み重ねが、健康な冬を過ごす大きな力になるのです。
ビタミンCがインフルエンザ予防に役立つ理由

ビタミンCは水溶性のビタミンで、免疫機能を活性化させる役割があります。具体的には以下のような効果が報告されています。
白血球の働きをサポート
白血球はウイルスや細菌と戦う重要な免疫細胞です。ビタミンCは白血球の活動を活発化し、感染に対する防御力を高めます。
抗酸化作用による体内環境の改善
ウイルス感染やストレスによって体内には活性酸素が増えます。ビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、細胞のダメージを抑えて健康な体を維持します。
コラーゲン生成を助ける
粘膜はウイルスの侵入を防ぐ重要なバリアです。ビタミンCはコラーゲン生成に関与し、粘膜の健康を保つことで、ウイルス感染リスクを下げます。
食事だけでは補えないビタミンC

様々な野菜や果物に含まれるビタミンCですが、通常の食事だけでは、免疫を最大限に強化する量を摂取するのは難しいのが現実です。例えば、風邪の予防や免疫力向上のために推奨されるビタミンC量は、1日1000mg以上といわれます。これはレモン10個分に相当するため、食事から毎日摂取するのは現実的ではありません。
また、サプリメントで補おうとしても、体が一度に吸収できるビタミンC量には限界があります。経口摂取の場合、摂取量が多くなると腸からの吸収率が下がり、十分な血中濃度に達することが難しくなります。そのため、食事やサプリメントだけでは、免疫力を高めるための理想的な量を確保することはなかなかできません。
ここで注目されるのが 「高濃度ビタミンC点滴」です。点滴で直接血管に投与することで、食事やサプリメントでは難しい高濃度のビタミンCを体内に効率的に届けることができ、免疫機能のサポートに役立ちます。
▼高濃度ビタミンC点滴についてはこちらの記事もご参照ください。
▶ 美肌・アンチエイジングに効果あり!【高濃度ビタミンC点滴】とは?
▶ 【ビタミンC】風邪の予防から回復促進まで!おすすめは「高濃度ビタミンC点滴」
高濃度ビタミンC点滴とは?

高濃度ビタミンC点滴とは、食事やサプリメントではなかなか摂取できない高用量のビタミンCを直接血管に投与する治療法です。
高濃度ビタミンC点滴とは、ビタミンCの抗酸化作用やコラーゲン生成の促進、メラニン生成の抑制作用などに着目した点滴です。厚生労働省が設定した食事からの摂取目安量(100mg)の100倍以上のビタミンCを点滴によって直接静脈に投与することで、血液中のビタミンC濃度を一気に高めることができます。
ビタミンCは人間の体に必要不可欠な栄養素で、安全性が高く、副作用が非常に少ないのも特徴です。
点滴により高用量のビタミンCがすばやく全身に行き渡り、血中のビタミンC濃度を高めることで、経口摂取とは異なるレベルの様々な薬理学的効果が期待できます。
高濃度ビタミンC点滴のメリット

① 体内への吸収率が格段に高い
口から摂るビタミンCは、吸収に限界があります。一度に大量に摂っても体外に排出されやすく、必要量を十分に確保するのは難しいのです。一方で点滴は、血液中に直接高濃度のビタミンCを届けられるため、効率的に免疫力を強化できます。
② 即効性がある
高濃度ビタミンCは、体内に入るとすぐに細胞や白血球などに取り込まれ、免疫機能をサポートします。疲労回復や体調不良時のサポートとしても注目されています。
③ 体の中からウイルスに対抗
ビタミンCは抗酸化作用により、体内でウイルスや細菌の増殖を抑える環境を作ります。また、粘膜や皮膚を強化し、ウイルスが侵入しにくい状態を保つ効果も期待できます。
▶ 【風邪・インフルエンザなどの感染症】高濃度ビタミンC点滴で早めの対策!
「高濃度ビタミンC点滴」どのくらい点滴するの?気になるお値段は?

高濃度ビタミンC点滴の投与量や料金は、クリニックや地域によって異なりますが、ここでは一般的な目安をご紹介します。
少量(12.5g)のビタミンCから開始し、段階的に治療レベルまで増量します。風邪・ウイルス疾患の治療における高濃度ビタミンC点滴の投与量は、25g〜50gとされています。
予防や健康維持が目的であれば、12.5g〜25gを継続的に投与します。
治療効果を発揮するためには、通常週1回の点滴が理想ですが、症状が重かったり、早く治したい場合などは連日の点滴も可能です。治療の期間は症状によって変わります。予防目的には週1から月1回など投与量と併せて主治医にご相談ください。
投与量にもよりますが、おおよそ8,000円~30,000円程度です。
高濃度ビタミンC点滴を受ける前に知っておきたい注意点

高濃度ビタミンC点滴は、安全性の高い治療法とされていますが、安心して受けていただくために、いくつかの注意点があります。以下を参考にし、不安な点があれば主治医にご相談ください。
■ 点滴時の体への反応
注射部位の痛みや内出血が起こる場合がありますが、軽度であれば数日で改善するため、特に心配はいりません。
点滴中に強い痛みを感じた場合は、薬剤が血管外に漏れている可能性があります。すぐに医師または医療スタッフへ伝えてください。
■ 治療が受けられない・注意が必要なケース
G6PD欠損症(赤血球の酵素異常)がある方は、この治療を受けることができません。
※点滴療法研究会会員クリニックでは、25g以上の点滴を行う前にG6PD検査を実施しています。
腎不全で透析中の方は治療不可です。また、心不全・大量の腹水・強い浮腫がある方も、水分負荷により症状悪化の恐れがあるため、治療できないことがあります。
他の薬を服用中の場合は、必ず主治医に相談してください。
また、以下のような方も、主治医に相談のうえ治療を検討しましょう。
・持病がある方
・重篤な体調不良のある方
・妊娠中または授乳中の方
■ 保険適用と併用薬
高濃度ビタミンC点滴は自由診療(保険適用外)です。
■ 安全な製剤が使われているか確認を6g以上のビタミンCの点滴には、防腐剤の入っていない注射薬の使用が推奨されています。
日本の保険診療で一般的に使用される製剤(1本2g)を使って50gの点滴をするには25本必要になります。これにより、防腐剤も25本分体内に入ることになります。
比較的安価な点滴では、国産の防腐剤入り製剤が使われていることがあるため注意が必要です。
点滴前に使用するビタミンC注射薬の種類を必ず確認しましょう。
■ 製剤の保管・管理にも要注意
ビタミンC製剤は非常にデリケートです。液体の状態で品質を保つためには、冷蔵(2〜8℃)での保管が必須です。
アメリカ薬局方(USP)では、点滴直前まで冷蔵保存し、当日に室温へ戻す取り扱いが求められています。適切に管理されていない製剤では、効果が損なわれる可能性があります。
国内でも防腐剤なしの注射薬が製造されており、正しく管理されていれば、海外製と同様に使用可能です。
点滴を受ける前に、使用薬剤の種類や保管方法についても確認しましょう。
■ 正しい施術が行われているか
一部のクリニックでは、血管痛を防ぐ成分が配合されていないなど、適切な方法で点滴が行われていない場合もあります。
点滴療法研究会では、点滴の正しい知識と技術を持つ医師の育成に取り組んでいます。安心・安全な治療のために、信頼できる医療機関を選びましょう。
▼ クリニックの選び方については、ぜひこちらの記事もこちらの記事もご参照ください。
▶ 失敗しない!点滴療法クリニックの選びかた -安全・効果・料金・口コミ?本当に信頼できる点滴療法クリニック、どう見分ける?-
高濃度ビタミンC点滴療法は医療行為です。点滴療法を受ける際に大切なのはクリニック選びを慎重に行うことです。
安全に施術を受けるためには、経験豊富な医師やスタッフがいるクリニックを選びましょう。おなじ点滴療法を謳っていても、製剤の選び方・管理状態によって正しく効果が出ないこともあります。
ホームページ上に点滴の内容が詳しく掲載されていなければ、不明点は必ず医師に確認しましょう。質問にきちんと答えてくれない、予算を無視した提案をするなど、納得できない点があるクリニックは避けたほうが良いです。
施術前にしっかりとカウンセリングを受け、自分の体調や目的に合ったプランを相談することが大切です。
日常生活に取り入れる「負けないカラダ」習慣

高濃度ビタミンC点滴は強力ですが、日常生活での基本的な予防習慣も欠かせません。以下のポイントを組み合わせることで、インフルエンザに負けない体を作れます。
① バランスの良い食事
野菜、果物、魚、肉、豆類をバランスよく摂ることは基本です。特にビタミンCが豊富なブロッコリー、パプリカ、キウイ、オレンジなどは、免疫力維持に役立ちます。
また、魚やきのこ類などに多く含まれるビタミンDも、免疫機能の向上にとても重要な栄養素なので、意識して食べると良いでしょう。
② 十分な睡眠
睡眠不足は免疫力を低下させます。夜は7~8時間の質の高い睡眠を心がけ、寝る前のスマホ操作やカフェイン摂取は控えましょう。
③ 適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血流を改善し、免疫細胞が体全体に巡るのを助けます。毎日30分程度を目安に取り入れると効果的です。
④ ストレス管理
慢性的なストレスは免疫力を下げます。深呼吸、瞑想、趣味の時間など、自分なりのリラックス法を持つことが大切です。
「負けないカラダ」を作る!
インフルエンザ予防は、日常生活の習慣と体の内側からのサポートを組み合わせることが大切です。
✓ 手洗い、うがい、マスクなど基本的な感染対策
✓ 栄養バランスの良い食事で免疫力を維持
✓ 十分な睡眠と適度な運動で体力を整える
✓ ストレス管理で免疫力の低下を防ぐ
✓ 必要に応じて高濃度ビタミンC点滴療法で体内から免疫力を強化
特に高濃度ビタミンC点滴は、普段の食事だけでは補えない量を効率よく取り入れられる手段です。忙しい日常や季節の変わり目に、体調を崩す前に体の内側からの予防として活用することで、毎年のインフルエンザシーズンを快適に乗り切ることができます。
インフルエンザに負けない「強いカラダ」は、一日にして成るものではありません。しかし、生活習慣の見直しと、必要に応じた高濃度ビタミンC点滴の活用で、少しずつ体を整えることができます。秋の訪れとともに、今年こそ健康で元気な冬を迎える準備を始めてみませんか。