血液オゾン療法
血液オゾン療法とは
オゾンというと、真っ先に「オゾン層」を思い浮かべる方が多いと思いますが、オゾンは100年以上も前から感染症などの予防と治療に医療利用されています。現在では、様々な疾患に対する治療として用いられるほか、強力なアンチエイジングの手法としても知られ、100歳を超える長寿であったイギリスのエリザベス女王の母君“クイーンマム”が、老化予防のためにオゾン療法を定期的に受けられていたことは有名です。
オゾン療法には、様々な適用方法と適応症があります。代表的な方法は、50〜100mLの血液を採取し適量なオゾンと反応させたのちに、点滴で体内に戻す方法で、大量自家血液オゾン療法と呼ばれます。通常、オゾン療法といえばこの治療法を指します。
目的・適応疾患
血液オゾン療法には、免疫力の改善、酸素化の促進、抗酸化作用の向上、細胞活性化などのほか、様々な作用があることがわかっています。
そのため、脳血管疾患・虚血性心疾患・閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患や糖尿病性腎症などの改善に著しい効果を示すと言われるほか、がん、関節リウマチ、加齢黄斑変性、炎症性疾患、肝炎などのウイルス性疾患や細菌感染症などが良い適応となります。
治療頻度は疾患の種類や程度によって異なりますが、例えばがんの術後など免疫力の向上を目的とする場合には、週に1〜3回の施術を一定期間行うのが一般的です。
健康増進やアンチエイジング目的の場合には、月に1〜2回の治療を続けることで効果が維持できます。
副作用について
オゾン療法の安全性に関する論文によると、副作用の発現率は0.0007%と極めて低く、かつ、いずれも素早く消失する程度の軽い症状であったとされています。
血液オゾン療法の副作用として、オゾン投与量が多い場合は、だるさ・抗凝固剤によるしびれがある場合がありま す。このだるさは特別な処置をしなくても約12~24時間程度で改善されます。
オゾン療法は、正しい施術法で行えば極めて安全な治療と言えますが、かつてはオゾンガスを直接静脈投与するなどの誤った適用法で起きた事故もあり、オゾン療法に精通した医療従事者のもとで適切な治療を受けることが大切です。
オゾン療法の注意事項禁忌
下記の疾患がある場合は血液オゾン療法を受けることが出来ません。
・甲状腺機能亢進症
・G6PD欠損症
・心筋梗塞急性期
・血小板減少症 など
■ 自家血液オゾン療法の禁忌
一定量(約100ml)の血液を一旦採取しますので、当日はなるべく水分を摂取したうえで来院するように案内します。また、ビタミンCなどの抗酸化物質を事前に摂取していると、反応させたオゾンが消去されるため、自家血液オゾン療法の前には摂取を控えて下さい。治療後には問題なく服用頂けます。
オゾン療法を実施している多くの医療施設では、これらの問題がないかを事前に確認した上で治療を行います。
詳しくは各医療機関へお問い合わせください。