【ビタミンC点滴】ここをおさえて!良いクリニックの選び方4選

美容や健康増進、そして様々な病気の補助療法として話題の高濃度ビタミンC点滴療法。しかし、高濃度ビタミンC点滴は保険適用外のため、決して安価ではありません。せっかく点滴を受けるのであれば、しっかりと効果を出したいですよね。
実は、おなじビタミンC点滴と言っても、どこのクリニックで受けても同じではないんです。この記事では、良いクリニックを選ぶコツを見ていきましょう。

高濃度ビタミンC点滴療法とは


みなさんは「ビタミンC」と聞くとどのような効果を思い浮かべますか?風邪の予防や、シミや日焼けなどの対策、疲労感の軽減など、日々のお悩み対策としてのイメージが強いのではないでしょうか?

実はビタミンCには、美肌効果やアンチエイジング、免疫力の向上などの生活のお悩みへの効果だけでなく、がんや生活習慣病などのさまざまな病気の予防・治療における効果も期待されています。特に、今注目されているのはがんの予防・治療効果です。国内外の多くの論文で、高濃度ビタミンC点滴療法はがん患者の症状を改善し、生活の質を維持することが報告されており、がんの基本治療の1つとしても広がりつつあるのです。
ビタミンCは体内で生成できないため、食事などで意識的に補充する必要があります。
食事や健康食品、サプリメントでの摂取が一般的ですが、特に高い効果を期待する場合には、点滴で直接血液中に投与する高濃度ビタミンC点滴療法がおすすめです。血液中に有効成分を直接投与できる点滴療法は、効率的かつ十分にビタミンCを補給するのにおすすめです。

■ 高濃度ビタミンC点滴による、がん、アンチエイジングの効果や副作用等について、
詳しくはこちらの記事もご参照ください。

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良いクリニックを選ぶことが効果を最大化するコツ!


高濃度ビタミンC点滴療法には、いくつかの注意点があります。例えば、一般的な保険診療で使われる国産の製剤には防腐剤が入っています。そのため、大量のビタミンCを点滴する場合には、防腐剤を含まない製剤(現状としてはほとんどが海外製)を選ぶことが推奨されています。一方で、海外産は輸送に時間がかかるうえ、厳密な温度管理を徹底しなければ品質を担保できないというデメリットもあります。

つまり、製剤の選択・管理が行き届いているクリニックを選ばなければ、せっかく高い治療費を払っても期待した効果を得ることができない可能性があるのです。良いクリニックを選ぶことが、効果を最大化するためのポイントといえます。

高濃度ビタミンC点滴をうけるクリニックを選ぶときに特におさえたいポイントは4つです。


選び方1:製剤の種類を教えてくれる


ビタミンC注射薬の品質に注意
点滴は品質の良いビタミンC注射薬を使用するクリニックで!

適切なビタミンC製剤を使っているかどうか確認するポイントは以下の2つです。
点滴を開始する前に担当医師や医療スタッフに確認し、納得してから始めるようにしましょう。

(1)製剤に防腐剤がふくまれていないこと

高濃度ビタミンC点滴(6gを超えるもの)では、防腐剤の入っていない、安全なビタミンC注射薬の使用を推奨しています。

一般的に保険診療で使用される国産の注射薬(1本2g)には全て防腐剤(ピロ亜硫酸ナトリウム、 チオグリコール酸ナトリウム)が添加されている為、製剤を何本も使わなければならない高濃度ビタミンC点滴には適していません。

残念ですが、いまだ防腐剤の入っているビタミンC注射薬を使用しているクリニックがあります。点滴前にクリニックで使用しているビタミンC注射薬について必ず確認しましょう。

(2)製造から一貫して冷蔵保存されていること

様々な食品などに含まれるビタミンCですが、実はとても繊細な成分です。ビタミンC注射薬は温度変化によって不安定になり、有効成分が変化して効果が減少したり、がんの治療においては逆に他の治療に悪影響を与える可能性も示唆されています。 アメリカでは、ビタミンC注射薬に関して、製造工場からクリニックまでUSP基準(米国薬局法)を満たした2~8℃の冷蔵保管が義務づけられています。 当会では、輸入ビタミンC製剤を使用するクリニックに対して、冷蔵空輸にて日本に出荷される安全な大手製薬会社(マイラン社)のビタミンC注射薬を推奨しています。

最近では、防腐剤の入っていない国内産のビタミンC注射薬も生産されています。品質管理の徹底がなされていれば、推奨する海外のビタミンC注射薬同様、高濃度ビタミンC点滴療法に使用できます。

選び方2:料金提示が明確である


大前提として、高濃度ビタミンC点滴療法は保険適用外なので、決して安価ではありません。
自由診療になるため、クリニックによって料金設定はさまざまです。また、目的・症状により薬剤の投与量も異なります。
治療を決める前に、自分の目的に合った投与量であることや、料金提示が明確であることを必ず確認しましょう。

【参考】高濃度ビタミンC点滴10~25g : 8,000円~25,000円程度
※50g以上の点滴、もしくは25g以上の点滴を定期的に行うためには、事前採血(G6PD検査)が必要です。

料金は、クリニックの場所や、医師・スタッフの技術力、患者さん一人一人に対する時間のかけ方、点滴するスペースの取り方なども料金に影響します。都心の一等地のクリニックと地方のクリニックとでは、料金に差がでやすいですし、また、時間をとって問診を丁寧にするかどうかでも料金設定が変わることもあります。初診料や再診料の設定も、クリニックによって様々です。

また、大きな価格差の要因のひとつとして、使用するビタミンC製剤の価格と質があります。今、国内で使用されているビタミンC製剤は、アメリカ、韓国、オーストラリア、アイルランド、国内産などがあり、質も価格もさまざまです。料金が極端に安い場合は、品質や管理状態が保証されていない、安価なビタミンC製剤を使っている可能性も考えられます。

特に治療を目的とする場合や高い効果を求める場合は、薬剤の品質は非常に重要です。どのような薬剤を使っているのか、必ずクリニックに確認してみましょう。
安さだけではなく、品質やサービスとのバランスをみた上で、自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。

選び方3:治療計画を提示してくれる


この先の治療計画をしっかりと提示してくれるかどうかも大切なポイントです。先の治療計画がしっかりと見えないと、際限なく時間もお金もかかってしまう可能性があります。

治療計画を立てる際には、自分の目的、いつまでにどうなりたいか、掛けられる予算などを明確にした上で、医師やカウンセラーと相談しましょう。

こうした治療計画を含めて、患者様が納得されるまで医療情報を提供し、患者様の合意の上で選択肢を選ぶことをインフォームド・コンセントといいます。特に高額になりがちな自費診療では、このインフォームド・コンセントがしっかりと行われていることが、良いクリニックを選ぶ一つの基準になります。 治療を決める前に不明なこと、不安なことは、担当医に必ず相談しましょう。

選び方4:点滴療法に詳しい医師が常勤している


クリニックによっては、点滴療法に詳しい医師の勤務日が限られており、それ以外は別の医師やスタッフが対応する、といった場合もあります。自分のニーズや体調に合わせた点滴を受けるには、いつでも同じ医師に相談できることが一つの安心要素になります。 もちろん定期的に同じ点滴を受けることが決まっている場合は、担当医が変わることも問題ありません。しかしその場合も、何かあった際に相談できるように、点滴療法に詳しい医師が常勤しているかどうか確認してみるとよいでしょう。

高濃度ビタミンC点滴は、基本的には副作用がない点も魅力のひとつですが、いくつか注意が必要な点もあります。妊娠中・授乳中の方や糖尿病の方など、一部の人は受けられなかったり、脱水や低血糖の可能性がある場合や体調がすぐれない場合はその日の点滴を控えるという判断も必要になります。 また、50gなどの高濃度でビタミンC点滴を受ける場合は、必ずG6PD検査と呼ばれる血液検査を受ける必要があります。25g程度であっても、定期的に点滴を受ける場合は事前検査が推奨されます。G6PDという赤血球の酵素が遺伝的に欠乏している人は、高濃度ビタミンC点滴を受けると重度の貧血を起こすことがあります。(G6PD値は一生において変化しないので、点滴前に毎回検査をする必要はありません。)

点滴療法は、内科や美容皮膚科をはじめとして、様々な医療機関で行われています。診療科目に関わらず、これらのリスクに関してしっかりと理解し、点滴の前に必ず体調の確認や過去のG6PD検査結果の確認を行い、正しい点滴療法を行うことができる医師が在籍していることがとても重要です。

また、ごく稀に、血管痛を予防する成分を配合しないなど、正しい施術方法を知らずに点滴をしているクリニックも存在します。点滴療法研究会では、点滴の講習を提供し、必要な知識を持った上で点滴を行うように、会員医師と共に取り組んでいます。心配な場合は、点滴療法研究会の検索サイトから、お近くの会員クリニックや、認定医資格を持ったクリニックを検索してみてください。

点滴療法のクリニック選びには認定医資格も参考になります

高濃度ビタミンC点滴は製剤の選び方・管理状態によって効果が異なってくることもあり、しっかりとしたクリニックを選ぶことが、効果を最大化することにつながります。ご紹介した4つのポイントを中心に、自分の目でしっかりと良いクリニックを見定めていきましょう。

ホームページ上に点滴の内容が詳しく掲載されていなければ、「ビタミンCは何g入っていますか?どこの製剤を使っていますか?他にどんな成分が入っていますか?」と気になることは質問してみることです。
質問にきちんと答えてくれない、予算を無視した提案をするなど、納得できない点があるクリニックは避けたほうが良いでしょう。

高濃度ビタミンC点滴のクリニック選びには、点滴療法研究会が発行している認定医資格も参考になります。この認定医資格は、点滴療法の正しい提供方法などに関する複数の講座を受講し、試験に合格した医師、歯科医師のクリニックだけに与えられるものです。クリニック選びに迷った場合は、認定医の資格をもつクリニックから選ぶのも一つの方法です。

点滴療法研究会ホームページのクリニック検索をぜひご活用ください。

この記事の監修医師

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