つらい【帯状疱疹】に朗報! 医師が勧める【高濃度ビタミンC点滴】の効果とは

夜も眠れないほどの激しい痛みを伴う「帯状疱疹」。実は日本人の3人に1人が80歳までにかかるということをご存じでしょうか。
他人事ではなく、自分の身に降りかかる病気かもしれません。できれば予防したい帯状疱疹。
もし発症してしまった場合も、早く治して痛みから解放されたいですよね。そんな帯状疱疹に、実は高濃度ビタミンC点滴療法がおすすめなのをご存じでしょうか。
帯状疱疹の原因とともに、なぜビタミンCがよいのかを確認していきましょう。

帯状疱疹とは


帯状疱疹とは、体の左右どちらか一方の神経に沿うように帯状の赤い発疹と水ぶくれが多数発生し、夜も眠れないほどのかゆみや痛みを伴う病気です。
個人差はありますが、強い痛みの症状は3〜4週間ほど続きます。

また、皮膚症状がおさまった後もちくちくとした痛みが続く合併症が併発することもあり、長く苦しい思いをする方も多いのが帯状疱疹の特徴です。
重症の場合には失明や顔面麻痺、難聴などを引き起こすこともあります。上記のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

帯状疱疹の原因


帯状疱疹の原因はヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスです。初めてこのウイルスに触れるときには、水ぼうそうを発症します。
水ぼうそうが治ったあともウイルスは体内に潜み続け、加齢やストレスなどで免疫力が下がることをきっかけに、帯状疱疹を発症します。
このウイルスは日本人成人の90%以上の体内に潜んでいるといわれています。主に50〜70代に多く見られる病気で、一部の人では再発する場合もあります。

帯状疱疹の治療法は


帯状疱疹にかかってしまったら、一刻も早く治療を開始することが大切です。受診がおそくなるほど、合併症の危険性も高まりますので、痛みを伴う発疹を見つけたら早めに医師に相談しましょう。
一般的に、原因となるウイルスを抑え込む抗ウイルス薬と痛みを軽減する鎮痛薬を用いて治療します。
50代以上の方は予防接種をする方法もあります。いずれにしても、普段から規則正しい生活や栄養摂取を心がけ、免疫力を低下させないことが、帯状疱疹を発症させないためには重要です。

免疫力を高めて帯状疱疹を予防する!ビタミンCをとろう


帯状疱疹は、多くの場合で、すでに体内に存在しているウイルスが活性化し、免疫機能をくぐり抜けることで発症します。
インフルエンザなどの感染症のように、人込みを避けたり手洗いうがいなどの感染対策をすることでリスクを下げるのではなく、すでに自分自身の体内に存在するウイルスの活性化を防ぐことが重要なのです。
ウイルスの活性化や増殖の大きなきっかけとなる免疫力の低下を予防するためには、疲労やストレスを避け、体の正しい機能を促進する日頃の生活習慣が鍵となります。

免疫機能を高める生活習慣として、毎日の食生活は特に重要です。中でも「ビタミンC」は体内のウイルスや病原菌を排除してくれる白血球の機能を強化し、免疫力を高めるのに効果的です。
国の基準では、成人で1日100mg以上のビタミンC摂取が推奨されていますが、これはビタミンCの欠乏症にならないための最低基準。
ストレスや疲労などで体内のビタミンCはすぐに使われてしまうので、栄養療法を行う医師のあいだでは、1,000㎎~3,000㎎以上のビタミンC摂取が望ましいと言われています。
ビタミンCをしっかりと摂取することは、免疫力を高め、帯状疱疹を予防することにつながります。

予防にも症状緩和にも!「高濃度ビタミンC点滴」のすすめ


一方で、ビタミンCは口から摂取しても吸収されにくく排出されやすいという特性があります。食事やサプリメントで一度に多量に摂取すると、多くは尿と一緒に排出されてしまうのです。
効果的にビタミンCを摂取するには「高濃度ビタミンC点滴」という方法があります。

点滴は、直接血中にビタミンCを届けることができるので、失うビタミンCの量を最小限に抑えることができます。
経口摂取の場合と比べて、ビタミンCの血中濃度は数十倍もしくはそれ以上の高いビタミンC血中濃度を得ることができます。

【ビタミンC】点滴とサプリメントの違いは【血中濃度は数十倍!】

ビタミンCの効果として、活性酸素に対する抗酸化作用により疲労回復やストレス軽減に即効性が期待できるとともに、白血球の機能強化などの働きにより免疫力そのものの向上にも効果を発揮することで予防効果に期待ができます。

さらに、高濃度ビタミンC点滴は痛みの改善にも役立ちます。活性酸素を除去する抗酸化作用により、炎症をおさえ、傷や損傷の回復を早める効果があるのです。

以上より、高濃度ビタミンC点滴で効果的にビタミンCを摂取することで、ストレスや疲労の緩和、免疫機能の向上、そして痛みの改善効果があるため、帯状疱疹の予防にも症状緩和にも効果が期待できるのです。

事例紹介:「高濃度ビタミンC点滴」で帯状疱疹の症状が改善!


実際に「高濃度ビタミンC点滴」で帯状疱疹が改善したという事例や論文もあります。
【事例1】
帯状疱疹に対するビタミンC点滴の効果-多施設コホート研究

従来治療とビタミンC点滴を加えた治療法では明らかにビタミンCを加えることにより、著効有効例が従来治療よりも高くなった(以下参照)。
出典:Schencking M et al. Med Sci Monit,2012;18(4):CR215-224.

【事例2】
ドイツのライプチッヒ医科大学プライマリーケア科では帯状疱疹による急性神経痛症状を合併した67才と53才の患者に高濃度ビタミンC点滴療法を実施。
非常に短期間(4〜6日)に劇的に痛みが消失、皮膚病変も発症10日以内に完治した。 なお、ビタミンC点滴の投与量は1回15g、隔日投与で2週間継続した。
出典:Med Sci Monit, 2010; 16(5): CS58-61.

どのくらい点滴するの?気になるお値段は?


少量(12.5g)のビタミンCから開始し、段階的に治療レベルまで増量します。帯状疱疹のようなウイルス感染の治療における高濃度ビタミンCの投与量は、25g〜50gとされています。
予防や健康維持が目的であれば、12.5g〜25gを継続的に投与します。
治療効果を発揮するためには、通常週1回の点滴が理想ですが、症状が重かったり、早く治したい場合などは連日の点滴も可能です。治療の期間は症状によって変わります。
予防目的には週1から月1回など投与量と併せて主治医にご相談ください。投与量にもよりますが、おおよそ5,000円〜30,000円程度です。

どれくらいで効果がでるの?持続期間は?


帯状疱疹のようなウイルス感染を目的とした高濃度ビタミンC点滴療法の効果は、免疫力の強化や症状の軽減を目指すものですが、効果は個人差があり、治療の段階や投与する内容量によっても異なります。

治療においては、すぐ改善効果を感じる人もいれば、数回の点滴で効果を感じる人もいます。
点滴で注入されたビタミンCはすぐに体中にいきわたり、余った分は尿で排出されますが、身体の必要な部分に補充されたビタミンCは2日〜数日間にわたり様々な働きをします。

予防、病気になりにくい身体づくりのためには、数週間〜1か月に一度程度でもいいので、無理のないペースで継続して点滴をすることをおすすめします。
そして何より睡眠や栄養バランスのとれた食事なども一緒に取り入れることも大切です。

「高濃度ビタミンC点滴」副作用は?注意すべきことはある?


大きな副作用の報告はありませんが、注意が必要な点があります。下記をご確認の上、疑問点がある場合は主治医にご相談ください。

・健康保険の対象外となります。

・G6PD欠損症という赤血球膜の遺伝性酵素異常がある方は治療を受けることができません。G6PD欠損症がある場合は必ず主治医に告げてください。
点滴療法研究会会員クリニックは、25g〜50g以上のビタミンC点滴を行う前に必ずG6PDの検査を実施しています。また、腎不全で透析中の方はこの治療を受けることはできません。
心不全、大量の腹水、強い浮腫のある方は、点滴で水分を血管内に入れることで病状の悪化を来す恐れがあるため、この治療ができない場合があります。

・薬との併用については主治医とご相談ください。
・その他以下の場合も主治医とご相談ください。
 重篤な体調不良や持病がある場合。妊娠中の女性、子供
・適切な薬剤を使用しているか確認してください。

高濃度ビタミンC点滴(ビタミンC6g以上)では、防腐剤の入っていない、安全なビタミンC注射薬の使用を推奨しています。

例えば、日本の保険診療などで一般的に使用される1本2gのビタミンC製剤の場合、
50gの点滴をする場合は25本必要になります。つまり、防腐剤も25本分体内に入れることにもなります。比較的安い料金のビタミンC点滴の場合、国産の防腐剤入りのビタミンC 注射薬を使用していることがあるので注意しましょう。費用は比較的安くすみますが、健康と安全を考えれば防腐剤入りのビタミンC製剤を使うことはできません。

残念ですが、いまだ防腐剤の入っているビタミンC注射薬を使用しているクリニックがあります。点滴前に使用しているビタミンC注射薬について必ず確認しましょう。

・適切に保管・輸送された薬剤を使用しているか確認してください。

高濃度ビタミンC点滴療法に使用する液体のビタミンCは、温度の変化に対しても不安定で壊れやすくできています。このため、クリニックでは点滴用ビタミンC製剤を冷蔵庫で保管しなければなりません。
アメリカ薬局方が定めた基準(USP基準)によれば、注射用ビタミンC製剤は、生産・出荷されてから点滴として使用される直前まで、常に2〜8℃の冷蔵庫で管理するように決められています。
点滴を行う当日になって初めて室温に戻します。温度変化や日光に弱く、デリケートに取り扱わなければならない繊細な薬剤なのです。

使用している製剤の種類や保管方法に関して、点滴を受ける前に必ず主治医に確認しましょう。


■適切な薬剤を使用してるか要確認!冷蔵輸送・保管が必須!!

【ビタミンC点滴】ここをおさえて!良いクリニックの選び方4選

・点滴の際に、針を刺した部位の痛みや内出血が起きる場合がありますが、軽度な場合は短期間で改善するので問題ありません。
点滴が始まって強い痛みがある場合は、薬剤が血管の外に漏れている可能性があるので、すぐに医師やスタッフに伝えるようにしましょう。

また、ごく稀に、血管痛を予防する成分を配合しないなど、正しい施術方法を知らずに点滴をしているクリニックも存在します。

点滴療法研究会では、点滴の講習を提供し、必要な知識を持った上で点滴を行うように、会員医師と共に取り組んでいます。

点滴もサプリメントも、指導してくれるクリニック選びが大切!



帯状疱疹の予防には免疫力の向上がキーとなります。高濃度ビタミンC点滴は免疫力向上にはもちろん、帯状疱疹にかかってしまった場合も症状の緩和に役立ちます。
高濃度ビタミンC点滴は、帯状疱疹の予防にも治療にも一役買う優れものです。

高濃度ビタミンC点滴は薬剤の管理など、正しく行わないと最大限の効果を得ることができません。クリニック選びが重要になってきます。
点滴療法研究会では認定医資格を発行しておりますので、クリニック選びの参考にしていただけます。この認定医資格は、点滴療法の正しい提供方法などに関する複数の講座を受講し、試験に合格した医師、歯科医師のクリニックだけに与えられるものです。クリニック選びに迷った場合は、認定医の資格をもつクリニックから選ぶのも一つの方法です。

点滴療法研究会ホームページのクリニック検索をぜひご活用ください。

この記事の監修医師

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